■2極化が進む 今後日本におけるタイ古式マッサージの未来は、2極化が進むと考えています。ひとつは、「安かろう!悪かろう!」のいい加減なマッサージがタイ古式マッサージとして、リラクゼーション業界を中心として定着してしまう方向に進むでしょう。今のリラクゼーション業界は、コリほぐし系ボディケアが主流です。そんな中、お客様からのタイ古式マッサージを求める声が多く挙がっていて多くのチェーン店でもタイ古式マッサージを取り入れてビジネスをしようという流れが加速しています。しかし、同時にこれは安易なタイ風マッサージを助長させることになり、民間レベルでこの流れを食い止めることもできません。TTMAもこれに対して、善意で技術の向上を図ってほしいとお願いすることしかできません。
もう一つは、代替医療として、補完医療としての治療的な側面を持ったタイ古式マッサージがもっと広まるであろうと予想しています。20年間にわたるTTMAの臨床経験においては、数々の西洋医学で効果が上がらなかった疾病の改善に効果が見られました。国が指定する難病の症状が緩和して医師が驚いたという例は少なくありません。タイ古式マッサージを用いながら、自然治癒力を向上させることで、喜びの声をたくさんいただきました。代替医療には、セラピーだけでなく、ヒーリングや氣功などのエネルギーワークを含んでいますが、欧米では、こういったものも保険適応の対象にすでになっています。日本はかなり世界に遅れをとっているようです。タイ古式マッサージがまだまだ代替医療として脚光を浴びていないのには、私たちの臨床経験が不足している理由もありますし、医療機関との提携も進めていかなければならないのかもしれません。いずれにしても、まだ知られていないだけで、タイ伝統医学の施術法は私たちが知る限り、とても素晴らしいものです。